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人材教育の株式会社総合教育研究所

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高畠導宏さんの生涯―エミリー・ディッキンスンの詩―

 今年の1月にNHK「土曜ドラマ」で放送された「フルスイング」の原作になった「甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯」を読んでみました。作者の門田隆将さんが、エピローグで紹介されていたエミリー・ディッキンスンの詩(アレンジしています)をまず読んでください。

もし私が一人でも傷ついた心を救ってやることができるなら
私の生きることは無駄ではないだろう
もし私が一人でも悩める人を慰めることができるなら
あるいは一人でも苦痛を癒すことができるなら
あるいは一羽の弱っている駒鳥を助けて
その巣の中に再び戻してやることができるなら
私は無駄に生きてはいないだろう
正にこの詩のような人生を生きた高畠導宏さんこそ、一市民の生き方のモデルになると思います。好んで色紙に書いたと言われる「覚悟に勝る決断なし」を、身をもって生きたことが伝わってきました。

彼は、鳴り物入りでプロ野球の世界へ入団したけれど、ケガで満足な結果が残せないまま、退団せざるを得なかったのですが、コーチとしての才能を野村克也氏に見いだされ、若くして28歳で打撃コーチとなり、多くの首位打者を育てました。

高畠導宏さんが、亡くなる三か月前の講演で語ったコーチの哲学は、リーダーとしてメンバーを育てる立場にある者によって、忘れてはならないメッセージとなりました。
私は、コーチになる時、よーし、ほめまくってやろう、選手をほめて、ほめて、ほめまくってやろうと思ったんですよ」、「プロの世界に入ってくる人間は、必ずどこかにいいところがある。人より優れたところがなければプロには入ってこられません。だから私は、人より優れているその部分を徹底してほめようと思いました。以後30年、私は一度も選手を怒らずに通してきました。その方が、選手は、はるかに成長するからです。だから、私のコーチ時代というのは、本当に選手をほめまくった30年だったと思います。」

そして、コーチが選手に投げかける言葉の重さに気づいたことを、このように語っています。
「ピッチャーがフォアボールを連発している時でも同じです。真ん中に投げろと、コーチや監督はよくいいますが、実はこれが一番辛いんですね。だって、コントロールが乱れてフォアボールを連発しているのに、真ん中に投げろと言われたって、困るだけじゃないですか。そういう時は、ピッチャーの意識をストライクを投げることから、逆に外してあげる必要がある。そうすれば、ピッチャーがどのくらい心理的に楽になるかわかりません。たとえば、真ん中に投げろではなく、思いきって腕を振っていこうとか、そういう言い方をすればどうでしょうか。その意味では、野球界には、実は、危険なアドバイスが氾濫していると思います。そこで私は、心理の勉強を本格的にしなければならないと思ったんです。」

その彼が、「子供たちに生きる力を与える仕事ができないだろうか。頑張ればきっと望みはかなうということを教えたい」という思いが強くなり、50歳代なかばで、5年もかけて教職免許を取得し、新前の高校教師として赴任したのが還暦を目前とした59歳でした。

新任教師として始業式の挨拶で、こう決意を語っています。
「私は、教師になりたい、という夢を持っていました。コーチは選手を育てます,教師は生徒を育てます。夢を持って突き進めば、あきらめずにやっていけば、夢は達成できるものです。コーチ時代、通信教育をやって、挫けながら、数年かかって私はやっとその夢を実現しました。・・・・・・
私は、プロ野球とはきっぱりと縁を切って、ここで骨を埋める覚悟で君たちと一緒にやっていきます。みなさんの将来の糸口を探す手助けをするために、命をかけてバックアップさせてもらいたいと思います。」
命をかけて」と語る高畠導宏さんの覚悟に、身が震える思いがします。今日から、私も残りの人生を「命をかけて」という覚悟で、使命を果たすことに邁進します。
| 自己実現 | 23:07 | comments(0) | trackbacks(0)
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