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人材教育の株式会社総合教育研究所

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組織心理学とは(1)

−プロセス・ロスに気を付けよう−

 今号から、組織心理学を取り上げます。組織心理学とは、『組織における心理学』と読んで字の如くです。「個人の心理」が集団になるとどのような影響力を出し合い変化するのか、また「組織という集団」になった場合、個人の心理は本人とその周囲の仲間との関係や、業績にどのような影響を与えるのか、などといった疑問を追及する学問が組織心理学です。
 目には見えない組織の風土などが集団にもたらす大きな影響力と、それによって大きく変化する個人とその結果としての業績の上下という2つの事実に驚いてしまいます。日々のちょっとした心がけ、言葉の掛け合いなどで、人間の潜在能力は引き出され、組織の風土は変わるのですからビックリです。
 個人が組織になったとき、その組織が発揮できる力は必ずしも1+1=2ではなく、1+1=10にもなれば、1+1=−10にもなってしまいます。組織になることで、大きな見えないエネルギーが生まれ、それが引き起こす現象はプラスにも時にマイナスにも作用するからです。つまり、人間が持つこのような特質に関する理解を深めることで、組織における生産性の効率を上げることが可能になります。
では、例えば、あなたが、あるプロジェクト・リーダーを任されたとき、どのような観点でグループを維持、形成して行けばいいのか、これからヒントを差し上げることにいたしましょう。

実は、プロジェクトとのようなチームという集団を形成するときには、必ずプロセス・ロス(process loss)とプロセス・ゲイン(process gain)という現象が発生するのです。
プロセス・ロスとは、グループ行動が引き起こすネガティブな作用です。プロセス・ゲインは、グループ行動から得られるポジティブな作用です。
当然のことながら、チームの生産性は、どれだけプロセス・ロスをなくし、プロセス・ゲインを最大にするかによって決まるわけです。

Robbins(2001)は、それを方程式で以下のように示しています:
チームの生産性=チームが本来持っている生産性+プロセス・ゲイン−プロセス・ロス

 まずは、プロセス・ロスの具体例をご紹介しましょう。
◆ソーシャル・ローフィング(social loafing)
あなたの職場には無ければよいのですが。一つは、ソーシャル・ローフィング(social loafing)と呼ばれるものです。Loafingとはぶらつくこと、惰性で過ごすこと、という意味です。グループで仕事を行う際、一人一人の頑張りや貢献が見えにくくなることから、個人は次第に目標達成への努力を払わなくなる傾向があるからです。グループのメンバーの多くに、この傾向が見られれば、当然チーム全体の生産性は低くなります。

◆ソーシャル・ファシリテーション(social facilitation)
また、ソーシャル・ファシリテーション(social facilitation)という現象もプロセス・ロスの顕著な例です。これは、個人の仕事の成果が周囲の人の存在によって向上したり低下したりする傾向のことです。これまでの研究から、“鷯錣亡蔽韻併纏やルーティン・ワークにおいては周囲の人の存在がポジティブに働いて個人の仕事のスピードは速まり正確度が上がるが、△茲衒雑で集中を要する仕事では、周囲の人の存在はネガティブに働き個人の生産性が低下する、ことが分かっています。

◆グループ・シンク(group think)
もう一つ顕著な例としては、グループの意思決定能力を低下させる現象としてグループ・シンク(group think)が挙げられます。これはグループ内で、合意の形成(コンセンサス)をはからなければならないというプレッシャーから、メンバー同士が持つ暗黙の規範が過度に作用して、結果として非現実的な意思決定をしてしまい、ネガティブな成果につながってしまう現象です。
具体的な例としては、
不死身幻想(illusion of invulnerability):グループの中に過度の楽観主義が横行し、大きなリスクに手を打つ準備も出来ていないのに、「皆で渡れば怖くない」方式で、理不尽な勇気が生まれる現象。
▲潺奪轡腑鷂諺(illusion of morality):自分達のグループは非常に高い社会的使命を掲げており、“何をしても許される”と考えた結果、グループのあらゆる行動を正当化する現象。
K場一致幻想(illusion of unanimity):グループ内でメンバーの半数以上がある意見や決定に合意している状態の時、その決定を覆すような別の意見や情報を排除し始める現象。このとき、自分達は“グループの効率を第一に考えているのだ”という感覚がメンバーの中に芽生えています。
後から思えば、どうしてあのような結論になってしまったのか、不思議な決定がされてしまったり、自分には、現実的に見て正しい意見を持っていたにもかかわらず、他の主要なメンバーがその時点で同意していたアイディアとは違っていたために、やむなくそれを了承してしまったりしたことはありませんか。
| 組織心理学とは! | 15:26 | comments(0) | trackbacks(0)
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