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中村天風の世界

JUGEMテーマ:読書


今号は、神渡良平先生が書かれている書籍「宇宙の響き/到知出版社」から、豊かな人生を送る上のモデルとしたい中村天風師を取り上げることにいたします。

 天風師の教えを受けた代表的な人物として、東郷平八郎さん、山本五十六さん、原敬さん、松下幸之助さん、稲盛和夫さん、双葉山さん、宇野千代さん等がいます。その教えには、どんな魅力があったのでしょうか。
 神渡先生は、死を宣告された肺結核を病んでいた35歳の中村三郎(天風師)が、ヨガの大哲人カリアッパ師と出会ったときに問いかけられた言葉を次のように書いておられます。
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「お前、病が治ったらどうするのか?」、
「病が治ったらどうするって?」
「そう、病気が治ったらどうするのか、決めているのか?」
「・・・・・・・・・・」正直言って、三郎はただ治りたい、苦痛から逃れたいの一心で、治ったらどうするかは考えていなかった。虚を突かれた感じで、おそるおそる、
「まだ、考えていません」と答えると、カリアッパ師はあごひげをいじりながら、そうだろうなとつぶやいた。
「道を歩いている人に、どこに行くんですかと聞いたとき、『わからない。足に聞いてくれ。ただ右と左の足を交互に動かしているだけなんだ』と答えたら、お前はどう思う。行く先もはっきりしないで、よくも歩いているなと思うんじゃないか。お前もそれと同じだ。よくも人生の目的を考えずに、日々暮らしているもんだな」そう言われると、顔から火が吹くほどに恥ずかしかった。
カリアッパ師は遠く空の彼方を見つめ、誰に言うともなく、つぶやいた。「お前には人生観らしいものが何もない。その場、その場を生きているだけだと言われても返す言葉もない。アメリカでは医学とやらを勉強したらしいが、逆にその知識が災いして、ちょっと咳しても恐れ、不衛生だといっては神経をすり減らし、オドオドばかりしている。枝葉末節の学問ばかりして、一番肝心の、
「私は何をするために、この世に生まれてきたのか!」ということを考えていない。本末転倒もいいとこだ。そこから建て直さなければだめだな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 皆さんは、この問いかけに、心の底から湧きあがってくる自分なりの答えをお持ちでしょうか? 
 私の場合は、この問いかけが、30歳頃に自分の内側からやってきました。「何のために仕事をしているのか?」つまり、「私は何をするために、この世に生まれてきたのか!」ですね。
 では、天風師が悟った答えとはなんでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 先生に褒めてもらいたくて職員室に駆け込む小学生のように、オラビンダ(中村三郎)も息咳切ってカリアッパ師を訪ねた。
「人間は宇宙の進化と向上に寄与するために生まれて来ました。個人的には、さまざまのことを学んで、魂のレベルを上げていくためです。肉体を得て地上で人生を送るのは、そこに目的があります。人生は魂の学校なのです」人生のさまざまな嵐を乗り越えて高次の意識レベルに到達し、自己実現するためだというのだ。カリアッパ師は大きくうなずいた。
「よくぞ掴んだ。人生の目的はそれなんだ。人の世で脚光を浴びることでもない、金儲けをするためでもない、ただ一つ、世のため、人のためになって、宇宙の進化と向上に貢献し、自分の魂のレベルを引き上げていくことなんだ。よくぞ、そのことに気がついた」
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 かっこいいですね。私も「世のため、人のためになって」ということを考えない仕事は、単なる作業となり、ハードな職場の場合は、ストレスが溜まり、心の病になってしまうこと身をもって体験しましたから、本当にそうだなあと実感です。ただし、「宇宙の進化と向上に貢献し」という視点まではありませんでした。何か楽しくなってきますよね。
 日本人の意識には、近江商人の売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」に代表されるように、「世のため、人のためになって」という考え方が強いようで、うれしい限りです。
 私が、日本経営品質向上活動や、マネジメント強化プログラム活動の普及をしようと思ったのも「真の顧客満足度を高める取組みは、社員満足度を高めることにつながる」ことを知ってもらいたかったからです。
 
 ビジネス界に生きる私たちにとって、このことこそが、天風師の教えから学べる核心ではないでしょうか。
「世のため、人のためになることが己の幸せ、喜びになるという自他一如の世界」を実現している状態とは、自分自身が、今号のテーマである「天の器」になっているのだということ。人間は、本来、無意識に「天の器」にならんと日夜、仕事をしているにも関わらず、そのことに気付いていない時代がなんと長かったことか、私のことですが。
どの会社でも、利益は大切だと、利益目標を掲げていますが、この言葉は、本来「りやく」という仏教用語であり、その意味するところは「人々を救済しようとする神仏の慈悲や人々の善行、祈願が因となって生ずる恩恵や幸せ」です。 従って、利益を得ようとする事業活動そのものが、本来「天の器」にならんとする取組みなのだということを、経営トップを初めとする経営幹部は気付く必要があります。
 お客様に喜んでもらう活動とは、他を利する「利他」を意味する行為であり、そのことが因となり、「利益」が生まれるのです。本当に、ワクワクする世界なのです。英語でも、「傍を楽にする」働きにより得られた利益のことを「プロフィット」と言い、単に利ザヤによる稼ぎを「ゲイン」と区別しています。
 あなたの職場は、「天の器」としての喜びが溢れた職場になっているでしょうか?
| 推薦本 | 21:03 | comments(0) | trackbacks(0)
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